
通気ベルトのはじまりは、夏用ベルトから。2010年の夏の日の朝、なかなか来ない通勤電車をホームで待っていたときです。
まだ会社にも着いていないのにもう下着は蒸れて気持ちが悪い。
なんでこんなに暑いのか、ズボンのウエストを締めているから蒸れた空気が通り抜けない・・・・・・何とかならないか・・・・・・
そんな思いから、身近なものを使って試作を始めました。
ストローベルトの試作、実験・・・樹脂製の網ベルトの試作、実験・・・と、試行錯誤を繰り返していると
あっという間に2度目の夏が過ぎました。
さて、どうしようか、またこのまま何もなく、冬を越して夏を迎えるのか。
何とか通気ベルトを冬にも売れる商品にできないか、と考えました。
その時、カイロを通気ベルトに付けたら温かい空気が広がりやすいはずだと思い、早速試作してみました。
すると、多少あったかく感じましたが、とても温かいとは言い難い状態でした。
カイロの発熱量を増やせればもっと温かく感じるはずだけど・・・
どうすれば良いかすぐには思いつきませんでした。
通勤電車で半分寝ながらカイロについて考えていると、
これまでの体験で、カイロを外に放置するとちっとも温かくなくというより冷たいくらいなのに比べて、
布団の間に入れた時がかなり熱くなることを思い出しました。
カイロの発熱は酸化反応であること、
そして化学反応は温度が高くなると反応速度が上がることから考えると納得できます。
「そうだ、カイロまわりを包んでやれば、カイロ自体の温度が上がり発熱量も増えるはず」
との考えに至り、インターネット上で調べてみるとやはりそうでした。

酸素を供給しながら保温するような構造・・・・の検討が始まりました。
ますはじめは冷凍食材を包んでいる発泡シートに空気の通る穴を沢山あけたものはどうか、
キッチンペーパーで包んだらどうか、・・・・・
と色々試しましたが思った程温度が上がらなかったり、とんでもなく熱くなってしまったりと上手くいきません。
ふと、フェルトだったら保温性と通気性を持っているはずだから、
フェルトでポケットを作りそこにカイロを入れたらどうかと思い、
すぐに手芸店に行ってフェルトを購入してきました。
ポケットを作ってカイロを入れると温かくていい具合です。
コストや製造手順を検討して、なんとか形になったのが2011年の11月中旬でした。
そしてようやく12月の始めにホームページも公開しましたが・・・・売れません。
忘年会が終わっても、2012年の正月をすぎても売れません。
地方新聞に広告をだしましたが、反応は広告業界の会社からだけでした。
ウーン困った、やっぱり無理かな、と思いはじめたところに
電話が鳴りました・・・・・・・・・・
面白そうなアイデアなのでテレビで紹介したいとの話でした。
テレビで紹介してもらえるのは、すごくうれしいけれど、そんなに注文が来るのだろうか・・・・
そんなことを考えながら、テレビの放送日を待ちました。
NHK【おはよう日本】まちかど情報室2012年1月24日

予想以上にテレビの反響は大きなものでした。
たくさんの注文とお問合せをいただき、お客様からの声も多くいただきました。
そして、腰痛持ちの方にも大変喜ばれるなど、多くの発見がありました。
お客様の声からさらに改良を加え、2012年の冬は、さらに進化した通気ベルトが誕生しました。
